生活習慣病は早めに対策しよう! 予防に効果的な運動と食事のポイントとは
健康コラム

生活習慣病は早めに対策しよう! 予防に効果的な運動と食事のポイントとは

2024/12/25
「人生100年時代」「健康寿命」という言葉を耳にする機会が増えてきた中、自分の健康状態が気になる人もいるのではないでしょうか。何歳になっても日常生活を制限されることなく、自分らしい日々を過ごしたいのならば、健康なうちから「生活習慣病」を予防しておくことが大切です。なぜなら、生活習慣病は死因となる病気の元となるだけでなく、生活の質を下げるきっかけになってしまうからです。生活習慣病の基礎知識と食事や運動による予防法を解説します。
「人生100年時代」「健康寿命」という言葉を耳にする機会が増えてきた中、自分の健康状態が気になる人もいるのではないでしょうか。何歳になっても日常生活を制限されることなく、自分らしい日々を過ごしたいのならば、健康なうちから「生活習慣病」を予防しておくことが大切です。なぜなら、生活習慣病は死因となる病気の元となるだけでなく、生活の質を下げるきっかけになってしまうからです。生活習慣病の基礎知識と食事や運動による予防法を解説します。

そもそも「生活習慣病」ってなに?

健康診断の結果を見て驚く男性のイラスト

厚生労働省は、生活習慣病を「食事や運動、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が深く関与し、それらが発症の要因となる疾患の総称」と定義しています。偏った食事、運動不足、喫煙、過度の飲酒やストレスなどが日常生活で積み重なることで、生活習慣病の発症リスクは高くなります。

生活習慣病は、日本人の死因トップであるがんを始め、さまざまな病気や健康障害を引き起こします。生活習慣病との関連が明らかになっているものは以下のとおりです。

  • がん
  • 循環器疾患(心筋梗塞、狭心症など)
  • 脳血管疾患(脳出血、脳梗塞など)
  • 糖尿病
  • 高血圧症
  • 脂質異常症
  • 肥満
  • アルコール性肝疾患
  • 歯周病

など。

 

日本人は「高血圧」になりやすい

日本人に多いのが、死因の上位を占める循環器疾患を引き起こす「高血圧」です。日本人は、WHOが推奨する1日の塩分量(5g)の約2倍を日々摂取していると言われており、塩分を摂り過ぎている傾向にあります。塩分過多によって高血圧になる人が多いとされている一方で、最近ではストレスが原因で血圧が知らず知らずのうちに高くなるケースも増えています。

高血圧をはじめとした生活習慣病によって血液の流れが悪くなると、循環器疾患だけでなく、脳梗塞などの脳血管疾患のリスクも高まります。

生活習慣病は、命に関わる重大な病気になる以前に、毎日の健康や楽しみまで奪うものです。厳しい食事制限や毎日の投薬などを続けなければならなかったり、疲れやすくて趣味や仕事がままならなくなったりと、生活の質は著しく低下します。

 

生活習慣病の予防は「運動」と「食事」がカギ

生活習慣病の予防には「運動」と「食事」が何よりも大切です。

忙しい現代人は、食事に無頓着だったり、デスクワーク続きで運動不足になりがちだったりする人が多いのも事実です。しかし、その生活が続くと、気付かないうちに体の異常が発生します。

まずは、毎日の生活を振り返ってみましょう。食べ過ぎていたり、一歩も外を出歩いていない日があったりと、運動や食事に関する問題点が見つかるかもしれません。

 

生活習慣病の予防に効果的な運動は?

厚生労働省は、生活習慣病を予防するために「毎日60分以上の運動」と「週2~3回の筋トレ」を推奨しています。

毎日の運動は、ウォーキング以上の強度であることがポイント。60分以上の運動は、歩数強度で換算すると、1日約8000歩以上が目安です。少し息が弾んで、汗が出るくらいを目標にしましょう。まとめて時間を取ることができない場合は、20分の歩行を1日3回行うなど分けてもOKです。

それに加えて、マシンを使ったウェイトトレーニングや、自重で行うスクワット、腕立て伏せなどの筋トレを週2~3回組み合わせると、さらに効果が期待できます。毎回同じメニューではなく、胸や背中、脚などの大きい筋肉を中心に、全身をまんべんなく鍛えられるよう意識することが重要です。

運動する女性のイラスト

運動に慣れていない人は、座りっぱなしの時間をできるだけ減らすことが肝心です。エスカレーターを使わずに階段を使ったり、こまめに掃除や片づけするなど、普段から体を多めに動かすことを心がけましょう。少しの積み重ねが運動量の増加に役立ちます。

意識的に運動をする場合は、まず「早歩き」程度の軽いものから始めるのがおすすめです。肥満だったり、筋肉が少ない人が急に激しい運動を始めると、膝や腰に負担がかかってケガにつながる危険性も。

最初の2週間程度は辛いかもしれません。ですが、とにかく続けることで体重や体型、体力面でのポジティブな変化があるはずです。好きな音楽を聞きながら外を歩いたり、ジムで動画を楽しみながらトレッドミルでジョギングしたりするだけでも効果はあります。ぜひ取り入れてみてください。

 

生活習慣病を予防する食事は?

生活習慣病を予防するためには、毎日決まった時間に1日3食を欠かさず食べることが大事です。朝食を抜いてしまう人がいますが、栄養が欠けてしまうだけでなく、昼食時に血糖値が急激に上がることによって、肥満のリスクが高まってしまいます。さらに、不規則な時間に食べることによって体内時計が乱れ、生活リズムや睡眠に悪影響を及ぼすことも。

食事は、5大栄養素(炭水化物、脂質、たんぱく質、無機質、ビタミン)をバランスよく摂れるよう意識しましょう。厚生労働省と農林水産省が策定した「食事バランスガイド」を参考に、毎日のメニューを決めるのがおすすめです。また、塩分の摂り過ぎにも注意し、厚生労働省が定める基準値(成人男性=7.5g未満、成人女性=6.5g未満)に収めることを心がけましょう。

 

出典:厚生労働省「食事バランスガイド

 

間食は1日の栄養素の不足が補えるようなメニューが良いでしょう。カルシウムを補える牛乳やヨーグルト、ビタミンや食物繊維が含まれた果物などを取り入れるのがおすすめです。甘いものやスナック菓子を好きなだけ食べるのは控えたいものの、回数や量を考えて、たまのご褒美として取り入れるのは、気分転換や生活の潤いにつながるでしょう。

また、お酒の飲み過ぎも禁物。1日につき、男性は2合、女性は1合以上のアルコールを摂取することで、生活習慣病のリスクが高まることがわかっています(ただし、個人差もありますので、お酒に弱い方はより気をつけた方が良いでしょう)。少ないアルコールでも満足感を高めるためには、氷や炭酸で割ることをおすすめします。

 

 

生活習慣病は健康診断で早期発見できる!

生活習慣病は、自覚症状が出た時にはすでに危ない状態になっている可能性が高いです。早めの対策として、健康診断は毎年受けて、その結果を必ず確認するようにしましょう。健康診断でD判定が一つでも出たら、自覚症状がなくても必ず病院を受診してください。

また、体重や体脂肪率、血圧、脈拍などを習慣的に計測することも重要です。実際に、心拍数を測ることができるスマートウォッチに不整脈を警告されて、病院を受診した、という人も。継続して測ることで、自分の体の変化に気が付きやすくなります。生活習慣病の早期発見にもつながるため、ぜひ無理のない範囲でやってみましょう。

若いうちからの生活習慣病対策で将来の健康を守ろう

生活習慣病は、健康や生きがいといった、人生において大切なものに影を落とします。

生活習慣病を予防するには、若いうちから正しい知識を持って、今できることを少しずつ始めることが大切です。食事も運動も、まずは自分が簡単にできそうなことから始めていきましょう。


 

〈参考〉

健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023

健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023(成人版)

e-ヘルスネット(厚生労働省)生活習慣病とは?

健康的で持続可能な食環境戦略イニシアチブについて

成人を対象にした運動プログラム

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