
ダイエットとは、「身体活動での消費エネルギー」が「食事で摂取するカロリー」を上回るようにして、痩せることを指します。
身体活動での消費エネルギー > 食事で摂取するカロリー
カロリー調整をする際に重要なのは、無理な食事制限はしないこと。栄養を二の次にして、カロリーを減らすことばかりに集中すると、貧血や月経不順、疲れやすくなる、骨が脆くなるなど、健康面に悪い影響が出てくる場合があります。また、リバウンドが起こる可能性も高くなってしまいます。

巷には、ダイエットにまつわる様々な情報が溢れています。「すぐに痩せられる」「ラクして痩せられる」といった耳障りのいい言葉に心が揺れてしまうこともあるかもしれません。
しかし、本当に効果的なダイエットとは、長年の研究や実績で証明されているように、バランスの良い食事と適度な運動を組み合わせるという至って基本的な方法。
なぜならば、ダイエットの本当の意味での成功は、「減量後も体重を保ち続けられるかどうか」にあるからです。
ストイックになり過ぎることなく、自分に合った運動や食事を楽しんで、無理のない減量ができると、その後もベストな体重を維持しやすくなるでしょう。

ダイエットを始めたい。そう思った時、まず行いたいのは「現状把握」とその見直しです。「摂取するエネルギー量を今よりも減らす」と「消費するエネルギー量を今よりも増やす」という二軸から生活習慣を見直しましょう。具体的な手順をご紹介します。
効果的なダイエットを始めるには、自身の基礎代謝量を知ることが大切です。18歳以上の方の基礎代謝量は、下記の計算式から算出できます。筋肉量によって個人差がありますので、あくまで目安として考えましょう。
男性:66+13.7×体重(kg)+5.0×身長(cm)-6.8×年齢
女性:665+9.6×体重(kg)+1.7×身長(cm)-7.0×年齢
基礎代謝とは、呼吸や心臓収縮など、生命維持のために使う最小限のエネルギーのこと。日々生きているだけで消費されるエネルギーなので、この分のカロリーは必ず摂取する必要があります。
ダイエット中の運動量を決めるには、普段の活動量を確認しておく必要があります。スマートフォンやスマートウォッチには、歩数をカウントする機能もあるので、日々の活動量もチェックしてみましょう。
自身の基礎代謝量の目安を把握したら、次に具体的な目標体重とダイエット期間を設定してみましょう。
1kgの脂肪を減らすには、約7,200kcalのエネルギーを消費する必要があるとされています。
1kgをどのくらいの期間で減らしたいのかを考え、その日数で7,200kcalを割ると、1日あたりの調整すべきおおよそのカロリー量が算出できます。
例えば:
1か月で1kg痩せたい場合は7,200 kcalを30で割る→240 kcal
1か月で2kg痩せたい場合は14,400 kcalを30で割る→480 kcal
1か月で1kg痩せたい場合は、1日あたり約240kcal。これは、ごはん一膳分(150g)、シュークリーム1個相当に当たります。
240kcalを調整するには、運動をどの程度行い、食事のカロリーをどのくらい調整するのが自分にとって現実的か、無理のない計画を立てていきましょう。
ここで大切なのは無謀な目標を設定しないこと。1ヶ月の減量は自分の体重の3%程度が良いとされています。
短期間で大幅な減量を目指したり、BMI(肥満度を表す体格指数)の数値が「低体重」を意味する18.5未満となる目標を設定したりすることは、健康に害を及ぼす可能性があるため控えましょう。
現状を把握したら、次は目標達成のために、どのような運動をどの程度行うのか、計画を立ててみます。
100kcal消費する運動としては、以下のようなものがあります(身長や筋肉量によって前後します)。
例えば、運動で1日あたり200キロカロリー消費したいのであれば、「ウォーキング30分+掃除30分」「ジョギング30分」程度の運動量が目安になります。
その際、長時間続けやすい「有酸素運動」と、筋肉を育てる「無酸素運動」を組み合わせると、より一層ダイエット効果が得やすくなります。
効率的にエネルギーを消費するには、有酸素運動が効果的です。特におすすめなのは、やや強めの強度で全身を使う運動。
サイクリングとジョギングでは全身を使うジョギングの方が効果的です。水泳は全身運動に加え、水中で体温を維持するためにエネルギーを使うのでさらに代謝が上がります。
また、最近の研究では、1日30分の連続した運動も、10分ずつ3回に分けた運動も、同じような減量効果があることがわかっています。忙しい人も隙間時間を見つけて小分けに運動することで、十分な効果が期待できるでしょう。
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筋肉量と基礎代謝量は比例するので、筋肉量が多いほど何もしなくてもエネルギーを消費してくれるようになり、太りにくい体づくりが可能になります。
そのため、脂肪を落とすだけでなく、筋肉量を増やすことも意識した方がリバウンドしづらいでしょう。
筋トレは、「大きな筋肉を使うこと」や「複数の関節を同時に動かす運動」を選ぶのが短時間で効率良くトレーニングできるポイント。お尻や太ももといった大きな筋肉を動かすスクワット、同じく上半身の大きな筋肉を使う腕立て伏せなどが該当します。
ただし、有酸素運動とのバランスには注意が必要です。高強度の有酸素運動を行うと、体は脂肪だけでなく筋肉もエネルギーとして使おうとするようになり、筋肉量が減ってしまう可能性も。筋肉の量を維持、増加させる効果を持った運動をバランス良く取り入れましょう。

なお、効率的に減量するには、筋トレを行う「タイミング」もポイントになります。
おすすめは「筋トレを行ってから有酸素運動をする」こと。筋トレによって分泌が促される「成長ホルモン」には脂肪燃焼を促進する作用があるためです。
食事に関してもまずは、見直すのが大切です。現在の自分の食事パターンを振り返ってみると、改善点が見えてきます。下記のポイントをチェックしてみましょう。
食事をする際は、先に振り返ったことを踏まえ、下記の点に気をつけながら食べると良いでしょう。
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出典:食事バランスガイド
日々の食事を記録に残す「レコーディングダイエット」もおすすめです。食事の記録をつけることで、自分の食生活を客観的に振り返ることができ、改善点も見つけやすくなります。
余力があれば、その日の運動量も合わせて記録してみると、さらに変化を感じやすくなるかもしれません。記録を続けることで達成感や自己肯定感も高まり、ダイエットのモチベーションも続きやすくなるでしょう。
ダイエットのコツは、運動量や筋肉量を堅実に増やし、栄養のある食事を1日3食しっかり食べること。つまり、健康な体づくりに必要な運動習慣・食習慣を身につけることと同義といえます。
本質的なダイエットに成功すれば、リバウンドと無縁のまま、身についた生活習慣を一生ものにすることもできるはず。毎日コツコツ積み重ねることで、ぜひ理想のプロポーションと健康を同時に手に入れましょう。
<参考>