有酸素運動で期待できる効果は?目的別に考える効果的な運動方法
健康コラム

有酸素運動で期待できる効果は?目的別に考える効果的な運動方法

2024/12/25
有酸素運動を定期的に行うと、健康増進やダイエット、メンタルヘルスの改善といった心身へのプラス効果が期待できます。有酸素運動を意識しない生活は、消費カロリーが少なくなるため肥満に陥りやすくなってしまい、その結果として生活習慣病などのリスクが高まります。日々どれくらいの有酸素運動を心がけるとよいのか、有酸素運動に苦手意識がある人は何をどれくらい始めれば良いのかなどを解説します。
有酸素運動を定期的に行うと、健康増進やダイエット、メンタルヘルスの改善といった心身へのプラス効果が期待できます。有酸素運動を意識しない生活は、消費カロリーが少なくなるため肥満に陥りやすくなってしまい、その結果として生活習慣病などのリスクが高まります。日々どれくらいの有酸素運動を心がけるとよいのか、有酸素運動に苦手意識がある人は何をどれくらい始めれば良いのかなどを解説します。

有酸素運動で期待できる効果とは?

有酸素運動とは、体内に取り込んだ酸素を使って、糖質や脂質をエネルギー源としながら筋肉を動かす運動です。

全身の多くの筋肉を使って、リズミカルな動きを一定時間持続させるウォーキングやジョギング、ランニング、サイクリング、ダンス、エアロビクスダンス、水泳などが有酸素運動にあたります。

有酸素運動は、筋トレやダッシュなどの無酸素運動に比べて筋肉への負荷が比較的軽く、運動を長期間・長時間継続しやすいことが特徴です。

有酸素運動には、さまざまなメリットがあります。期待できる主な効果をご紹介していきます。
 

健康を考えるイラスト

呼吸循環器系の機能が向上して、持久力がつく

有酸素運動中は、酸素をより多く取り込むために呼吸が増え、心臓と肺が鍛えられていきます。そのため、呼吸循環器系の機能が向上し、持久力アップに繋がります。

 

体脂肪が分解されて、肥満が防げる

有酸素運動は、酸素を使って血糖や脂肪をエネルギーに変えていくため、体脂肪の減少に効果的です。生活習慣病の要因である胃や腸などの内臓の周りに蓄積される内臓脂肪の減少も期待できます。

 

血清脂質が減少して、生活習慣病のリスクが軽減する

血清脂質とは、血液中に含まれる脂質のことで、コレステロールや中性脂肪からなるものです。これらのバランスが乱れると、動脈硬化に繋がり、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす可能性があります。

有酸素運動には、LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪などを減少させ、HDL(善玉)コレステロールを増加させる効果が期待できます。

 

骨密度が高まって、骨が強くなる

有酸素運動時の物理的な刺激によって骨への血流が増えると、骨を作る細胞(骨芽細胞)が活性化されて骨密度が高まるため、骨粗鬆症の予防に効果的です。

将来の骨折リスクを低減させることができ、足腰の健康を長く保ちやすくなります。

 

ホルモンや副交感神経の働きにより、心身がスッキリする

有酸素運動には、不安や気分の落ち込みを和らげるホルモン・セロトニンの分泌効果があります。

また、筋肉がほぐれて血行が良くなることで、副交感神経が優位になるため、心身ともにリラックス効果が期待できます。運動の満足感や達成感は、前向きで自己肯定的なポジティブな気持ちをもたらします。

 

 

有酸素運動の不足で、生活習慣病になるリスクも

健康診断結果イラスト

このように、有酸素運動には健康維持からストレス解消まで、心身ともにさまざまな効果が期待できます。一方で、有酸素運動が少ない生活は、糖尿病、肥満、高脂血症、高血圧症といった生活習慣病の発症と悪化のリスクが高まります。

健康的な生活を送るためには、適度な有酸素運動を取り入れることが大切です。今よりも1日あたり10分の身体活動を増やすことで、生活習慣病発症や死亡リスクが約3%低下すると考えられています。生活習慣病の予防や改善のためにも、有酸素運動を意識的に行っていきましょう。

 

目的別に有酸素運動を考えよう

軽い運動のイラスト

有酸素運動といっても、負荷が軽めのウォーキングから、強度が高めのジョギングまで様々。

「健康維持」「ストレス発散・気分転換」「体脂肪減少(ダイエット)」と目的別におすすめの有酸素運動をご紹介します。

 

健康維持

健康維持のための有酸素運動では、ウォーキングがおすすめです。

厚生労働省が発表する「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、1日の目標歩数を成人8,000歩、高齢者6,000歩としています。これは60分のウォーキング相当になり、忙しい毎日の中で取り入れるのはなかなかハードルが高いという方も多いでしょう。

そのような場合は、ゴミ出しのついでに10分だけ散歩をしてみるなどから始めても良いでしょう。エレベーターの代わりに階段を使ったり、一駅分歩いたりしてみるだけでも、歩数を稼ぐことができるのでおすすめです。

1日の目標が達成できなくても、まずは1週間の合計歩数で帳尻を合わせればOKと考えて、気軽に取り組んでみましょう。


ストレス発散・気分転換

ストレス発散や気分転換としての有酸素運動は、軽く汗ばむ程度の20分ほどの散歩(ウォーキング)がおすすめです。

有酸素運動には、セロトニンという神経伝達物質の分泌を促す効果があります。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、不安や気分の落ち込みを和らげてくれるため、ストレス解消にも、ストレスへの耐性の強化にも繋がっています。

有酸素運動のなかでも、ウォーキングやサイクリングなどの反復運動は、特にセロトニンの分泌を促してくれます。また、セロトニンは、太陽の光を浴びることでも分泌が促されるため、午前中の散歩は一石二鳥の効果が期待できます。

ただし、すでにメンタル面で辛い不調を感じている場合は、無理のない範囲で行うことが大切です。自分の心身の調子に合わせて、無理なく、心地良く続けられるペースやバランスで取り組んでいきましょう。

 

体脂肪減(ダイエット)

具体的な目標として、心拍数が120~130程度となるような、軽く息が上がるウォーキングなどを1日30分、週2回から始めてみましょう。よりダイエット効果を高めたい場合は、ウォーキングよりも負荷の高いジョギングがおすすめです。ただし、膝に痛みが出やすい人は、サイクリングやエアロバイクでもOKです。

数年前まで、有酸素運動は20分以上継続して初めて体脂肪を燃焼すると言われていましたが、その認識は変わってきています。近年の研究によると、有酸素運動を1日のうちに30分連続で行っても、10分間の運動を3回行っても、同じ減量効果があることがわかっています。つまり、大切なのは1日の総運動時間なのです。できるタイミングで、こまめに体を動かしていきましょう。

ハード過ぎない有酸素運動を取り入れるおすすめのタイミングは、朝食前の空腹時です。空腹状態で運動をすることで、脂肪を効率的に燃焼することができます。朝の運動には、その日1日の代謝を上げる効果も期待できます。

自分のペースで無理なく続けられる有酸素運動を見つけよう

有酸素運動は、心身を健やかに保つために取り入れられる最も手軽な運動の一つです。
まずは自分の体力や目的を考えて、無理なく続けられる有酸素運動から始めてみましょう。

好きな音楽を聴きながらのウォーキングやお気に入りの場所でのジョギング、友人とのサイクリングなど、自分が楽しめるメニューを見つけて、無理なく続けていきましょう。

 

<参考>

健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023

成人を対象にした運動プログラム

エアロビクス / 有酸素性運動

有酸素性エネルギー代謝

セロトニン

内臓脂肪減少のための運動

体を動かす

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